聖書によるイスラエル人の歴史は、アダムとイブから始まり、シュメールのウルからアブラハムの代に移動し、アブラハムの子孫は、星の数ほど繁栄するであろうと祝福された。エジプトに移住した子孫は奴隷にされていたが、モーセによって奴隷の地位から救出され、脱出の途中で、神の掟を守るならば永遠に繁栄すると約束され、カナンの地(葦原の国)を永遠に与えると約束された。
漸くダビデの代に十二支族からなる古代イスラエル王国を確立し、次のソロモン王の代に古代イスラエル民族を導き守護していたヤハウェの神殿を建立した。ソロモン王の死後、古代イスラエル王国は分裂し、十支族からなる北のイスラエル王国と二支族からなる南のユダ王国になった。この時代多くの預言者が出現し、神の掟を守るかぎり、永遠の繁栄を与えるというヤハウェとの契約を破ると国は滅亡すると警鐘乱打したが、結局イスラエル王国は前722年に、ユダ王国は前586年にヤハウェの信仰を守らず、滅亡してしまった。そのように聖書に書いてある。
北のイスラエルの十支族は、シルクロードの彼方に消え、南のユダの二支族のユダ王国も復活したものの、紀元70年最終的に離散の民となり、シルクロードの民となり、シルクロードの各地に散ってしまった。
イスラエルの失われた十支族の子孫は、シルクロード各地に住んでいるようではあるが、本体は日本に来ているのではないかという。さらに、ユダ王国に属していたエルサレムの神殿にあったイスラエルの三つの神宝も、それを入れてあるという「契約の箱」も、日本に来ているのではないかという。
預言者イザヤに率いられた二支族は、新天地を求めて、シルクロードを東漸し、「契約の箱」とダビデ王家の子孫をつれて四国の阿波に新しい国家を建設した。豊葦原の瑞穂の国という。元々の約束された地がカナンで、「葦原の中の国」と言う意味である。「瑞穂」は、古代ヘブル語の「東」を意味するという「ミズラホ」の訛りならば、ヤハウェが新しい約束の地として、アブラハム・モーセの直系の子孫に「豊葦原の瑞穂の国」を与えたとするならば、不思議と由来が一致することになる。
日本書紀の「豊葦原の千五百秋の瑞穂の国は、是れ我が子孫の王たるべき地(くに)なり。宜しく爾皇孫就きて治せ。さきくませ。宝祚の隆えませむこと、當に天壌と窮無かるべし」(豊葦原の瑞穂の国は、わが子孫が王となる国である。汝皇孫よ、行って治めなさい。天皇の地位が栄えることは天地とともに終わることがないであろう。)という「天壌無窮の神勅」とヤハウェのアブラハムの子孫たるダビデ王に対する約束とダブルことも理解できる。
ヤハウェ神がダビデ王に、子孫の永遠の繁栄と王位を約束したにもかかわらず、ダビデの子孫を王とする南のユダ王国の滅亡した。ほぼ時期を同じくして、神武天皇による日本の建国された。イザヤによる東漸運動の成果であるならば、ヤハウェは約束を守られたことになる。
時は移って江戸時代の末より、「清明正直」の大和心へ帰れと言う宗教家が日本にあらわれるようになる。「ミロクの世」が来るという。あたかも、古代イスラエルの預言者たちのごとく、黒住宗忠、川手文治郎、中山みき、出口直、出口王仁三郎、岡本天明等々が警鐘を乱打する。それぞれ、黒住教、金光教、天理教、大本教の開祖である。岡本のみは教団をつくらなかった。
聖書には、世の終わりにダビデの子孫から、救世主(メシア)が現れ、古代イスラエル民族を救うといい、日本では「ミロク」が現れて、聖書でいう天国の世が来るという。
そもそも、「ミロク」は、聖書の「メシア」の思想が、インドに伝えられ、上座部仏教が、影響をうけて大乗仏教となり、「ミロク」思想が1・2世紀頃あらわれたという。
古代イスラエルの預言者の出現と、日本における江戸末からの諸宗教の開祖の出現は、古代イスラエルを通じて繋がっているのではないかとの思いを強くしている。
聖書には、
「(終わりの日に)イスラエル人の数は、海の砂のようになり、量ることも数えることもできなくなる。彼らは、『あなたがたはわたしの民ではない。』と言われた所で、『あなたがたは生ける神の子らだ。」と言われるようになる。ユダの人々とイスラエルの人々は、一つに集められ、彼らは、ひとりのかしらを立てて、国々から上ってくる。イズレエルの日は大いなるものとなるからである。」(ホセア書1章10節〜11節 新改訳)
とあり、あり得ないところに古代イスラエルの十二支族が一つの国を形成しているという。
ユダヤ教のラビ(宗教指導者)が、日本にきて、他国では感じられない安堵感を覚えるという。神道の祭祀を勉強して、古代イスラエルの祭祀との一致をみて等しく言葉を失うという。逆に日本の神官が聖書にふれて、キリスト教に改宗したものもいるという。
旧約聖書には、モーセによる出エジプトに由来する「過越の祭り」は、旧約聖書出エジプト記12章14節に永遠に守るべき掟と記されているが、日本の大晦日から始まる正月の行事、飾り付けに酷似しているという。また、「仮庵の祭り」もまた、お盆の行事に酷似しているといいます。知らず知らずに日本の行事風習に取り込まれているのが古代イスラエルの祭りということになる。
「アルザルへ行った十支族」は別として「古代イスラエルの十二支族」が日本に来ているというテーマで記述を進めてきたが、調べれば調べるほど日本と古代イスラエルの縁(えにし)を感じざるを得ない。古代イスラエル民族の十二支族の全て日本に来ているということを「あり得るかもしれない」と取るか、「荒唐無稽」ととるかは、それぞれの受け継いでいるDNAによるのではないだろうか。
「空洞地球」にアルザル(シャンバラ)があり、そこに「失われた十支族」がいて、宇宙船を操っているとという件については、ジャーナリストの中丸薫、経営コンサルタントの船井幸雄の著作により、本当かもしれないと思い急遽項目を加えた。特に船井幸雄による在野の科学者、神坂新太郎の実験の紹介記事は信じるに値するものだと思った。直感によるものです。それまでは、荒唐無稽であり、このような作り話を信じる人のセンスをうたがっていた。
四世紀の日本の人口は500万人であったという。そこに、日本書記によると18670人のユダヤ人キリスト教徒である秦氏が応神天皇の時代にやってきた。それ以前の失われた十支族、イザヤによる二支族をあわせると少なくとも5%近くがイスラエル・ユダヤ民族であったろうとすると、現在日本人の5%近くつまり約600万前後が古代イスラエルの血を受けつでいると言うことになる。
宇野正美によると、YPマイナス遺伝子から日本人の40%、5000万人がイスラエル・ユダヤ系であると言います。これは大変誇大な数字で、縄文系日本人がすべてイスラエル・ユダヤ系と同義ということになります。
参考図書
○「いま二人が一番伝えたい大切なこと」船井幸雄 中丸薫 著 徳間書店 2007年
平成20年03月18日作成 平成31年1月1日最終更新 第49話