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「ヨガナンダ師の自叙伝は……実際にヨガの修行を達成したヨギ自身によって書かれたヨギに関する書であるという点において独特のものである。これはまた、現存するヒンズーの聖者たちの非凡な生活や能力の目撃談として、特に今の時代において時宜を得た重要性をもつと同時に、時を超えた価値をも有するものである」(オックスフォード大学教授エヴァンズ・ウェンツ博士の序より)A4判536頁4200円税別 |
詳しくは、「あるヨギの自叙伝 」パラマハンサ・ヨガナンダ著 (1983年 森北出版社)です。
ボランティアで行っている会でのリーダーとして会の発展が上手く行かなくて、管理職時代に読んでいた経営の本を読み直しました。その中で、アップルの起業者の公式伝記である「スティーブ・ジョブズT・U 」ウォルター・アイザックソン著井口耕二訳を読んでいて夢の大切さ、ビジョンの大切さを再確認しました。その中で、スティーブ・ジョブズが、「あるヨギの自叙伝」を毎年読み直しているということが出てきました。発売当初の2011年には読もうとは思いませんでしたが、買って読んでみることにしました。
以前に「ヒマラヤ聖者の生活探求」という本を若い頃読んでいましたが、それ以上にスーと心をしみこんできました。
インドを旅行したときにヒンズー教の行者を多数見ました。すごい誤解をしていたことに気づきました。「マヌの法典」の真意も理解できました。世俗にまみれている部分も現在では多くありますが、ヒンズー教そのものがインドの叡智の固まりであったことに気づきました。私の中では再生転生は真実であると受け止めていますが、解脱とは何かということを概念でなく、実感として感得することができました。
今年の世界史の授業でもインドのヒンズー教の叡智であるウパニシャット哲学について宇宙の本体であるブラフマンと自己の魂であるアートマンと一体であることをサトルこと(梵我一如)が人生の目的であると話をしました。
しかし、具体的なリアリティがありませんでした。それがしっくりきて、読んでいる間だけでも宇宙創造神と一体とはどう言うことかが良く理解できました。
子どもの頃からの修行とアメリカに渡って神と一体となるインドの叡智を広める天命を果たしていた聖者自身の伝記であるところに清らかさを感じ、心をうちました。
再生転生のなかで修行を重ねてついには、解脱にいたるということはどういうことなのかがよく分かりました。
真に解脱すれば、未来を知ることも過去を知ることもできる。更には、瞬時に肉体を移動することも、イエスがされたように言葉だけで、また、触れるだけで病気をあっという間に直すこともできる。キリスト教の聖書にあるイエスの奇跡も、イエスがインドの聖者と同じことをしているということがわかりました。
無限の神の力といったいとなることにより、宇宙の気(神の気)をすって食事をとらなくて良い修行者がいたり、恐怖心を克服して愛の波動を送れば、コブラとかライオンも、蚊も襲わないというのが聖者であることも分かりました。例えばバラの香りを体にまとうこともできるようです。自分の意志で肉体を離れていくことも可能であるとのことです。
ブラフマンとアートマンが一体となることで、生死も超越できることも分かりました。ヒマラヤで修行する聖者の中には、年齢を超越していて青年もまま何百年も肉体を維持しておられる方も居られる。悟りを開けば一瞬で病気も治る。そして、病人を直すことができるという原理もよく分かりました。この本の奇跡が真実であることが直観されました。
そのようなことが、不思議とスーと心に落ちました。
私より3日先に生まれたスティーブ・ジョブズがなくなった時に思ったことは同じ人として生まれ、教員としても、人としても挫折続きで、何も成し遂げることができず、偶然の積み重ねの成り行きで教頭になりましたが、校長にも成れなくて、つらい今までの経験を思い出して、今までの自分の人生は何だったのだろうかと思い、スティーブがうらやましくてしかたがありませんでした。最後のチャンスに、スティーブの伝記に勇気を得て感動し、面接で伝えることで校長になることができました。
今回また、スティーブのお陰で、「あるヨギの自叙伝」を読んで、人生の目的について、認識することができました。人間の無限の可能性についても信じることができるようになりました。例えば、70億の人類がいても、宇宙の気を食料に変えるように人類が霊的進化すれば、共存共栄できることをこころから信じることができるようになりました。この現世の唯物的思考は、迷妄にすぎないことなんだと思えるようになりました。
しかし、スティーブであっても、結局は解脱つまり悟りきれずに、初期の癌の段階で医療を拒否し、瞑想で治癒できると信じて結局は、治療遅れで56歳で命を失ってしまいました。
そう簡単には解脱はできないようです。
また、私より5日遅れで生まれた麻原某は、この解脱を目標とする人を集めながら、サリン事件などの大量殺人事件を起こしてしまいました。下手に真似をするととんでもないことになるようです。要注意です。
ヨガナンダの講演集である「人間の永遠の探求」パラマハンサ・ヨガナンダ著 (1997年 森北出版社)もおすすめです。自叙伝よりも心に残る珠玉の言葉の集積です。
平成28年12月16日作成