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高校生のためのおもしろ歴史教室>読書案内

「大東亜戦争肯定論」林房雄著

詳しくは、「大東亜戦争肯定論」林房雄著(2001年 夏目書房) です。
 8月は、先の戦争に日本が敗北した月です。終戦特集として、戦争中のさまざまなエピソードが登場します。
そのストーリーの前提にあるのが、われわれの先祖は、国のためと信じてアジア諸国を侵略し日本人310万人とアジア諸国2000万の犠牲者をだしてしまった。

 広島の原爆慰霊碑にある「あやまちはくりかえしません。やすらかに眠ってください。」の主語は、われわれ日本なのです。
  
 これでもか、これでもかと日本はだめな国だった。日本は侵略者である、と隣国である中国や北朝鮮、韓国が今なお言い続けています。本当に日本はだめな国ですか?
 
 私自身、明治維新は、評価しても、昭和の戦争史は弁解の余地はないのではないか、と思っていました。中国や北朝鮮、韓国に言われ続けても、従軍慰安婦問題や、南京事件など個々の問題に対する反論は準備できても、全体としてやはりアジア諸国を結果として侵略したのは日本ではないかという疑念をぬぐうことはできませんでした。



 今年に入り、一般の方々に明治維新や昭和天皇の戦争責任等の問題について、講演(?)をする機会をいただき、本当にたくさんの本を購入し、準備していく内にこの本に出会いました。「目から鱗」でした。日本は、悪くない。ヨブ記にある試練を受けているだけだ、と気づいたのです。

 著者は、声だかに、戦争を賛美しているのではありません。
 ペリーの来航による開国(1854年)から大東亜戦争の敗北(1945年8月15日)までを

 東亜百年戦争−約1世紀つづいた「一つの長い戦争」

 という視点により論考しているのです。

聖書の「ヨブ記」をご存じでしょうか。
 「我ら神より福祉(さいわい)を受くるなれば災禍(わざわい)をもまた受けざるを得んや」(ヨブ記第二章十)

とヨブは妻にいいました。ヨブ記は、神より祝福されて正しき人であったヨブは、サタンの試みを受け、あらゆる艱難辛苦を受けつつも、義と感謝を貫き、試練を超えて神に祝福され、永久の祝福を受ける物語です。ヨブは試練を乗り越えます。日本も乗り越えられないはずがありません。

 東亜百年戦争−約1世紀つづいた「一つの長い戦争」は、日本民族の独立をかけた戦いでした。イギリスの歴史学者H・G・ウエルズをして「大東亜戦争は大植民地主義に終止符を打ち、白人と有色人種との平等をもたらし、世界連邦の基礎を築いた」と言わしめた、結果をもたらしました。

 この結果をもたらした日本に対して、もう二度と立ち上がれないように「戦争犯罪宣伝計画」(war guilt infomation program)〔1948年〕により民族の歴史を改ざんされつづけ、洗脳され続けているのが、現在の日本の状況だったのです。

 韓国や中国の言動が信用できないことにようやく今日本国民は気づきつあります。また、イスラム諸国に対して、テロリスト呼ばわりしているアメリカの言動についても同様であります。個人としての韓国人や中国人、アメリカ人が詐欺師といっているのではありません。民族の生存をかけた国家のあり方としての韓国、中国、アメリカを言っているのです。

 しかし、私自身も、明治維新から大東亜戦争の敗北までの歴史を、戦勝国の都合の良いように改ざんし、宣伝し、洗脳つづけていることに、講演の機会を得て、準備のために膨大な資料に接するまで、気づくことができませんでした。

 神の祝福を受け、江戸時代には、ヨーロッパ人をして地上の天国・楽園ではないだろうかと驚かしめたほどの日本が、1853年のペリーの来航により

「太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)、たった四杯(四隻)で夜も眠れず」

 と狂歌で歌われたごとく開国を余儀なくされます。中国がアヘン戦争でずたずたにされたのを熟知していた幕末の志士たちは、武士の特権をすて、必死の努力で明治維新を成し遂げ、近代化をなしとげ、欧米諸国の植民地となることを免れようとします。
 
 開国からわずか50年で、日露戦争(1904年〜1905年)に勝利しました。

 1492年のコロンブスのアメリカ大陸発見以来400年、西欧諸国は、向かうところに敵なしでした。
 日露戦争当時、独立を維持していた有色人種の国は、タイと日本と中国以外にありませんでした。中国は、アヘン戦争(1840年)以来半植民地化の道を歩んでいました。朝鮮は、中国の属国であったのが現実です。

 イギリスとフランスの植民地の緩衝国として、その外交の巧みさで生き残ったタイと、真っ正直に西欧化の道を歩み、武装を強化してきた日本。

 日本の勝利が、中国の植民地化をねらっていたアメリカの逆鱗にふれ、1905年には、アメリカの仮装敵国として海上封鎖により日本を殲滅するというオレンジ計画(1905年〜)が、立てられました。

 アメリカの思惑どおり、中国に釘付けされ、ABCD包囲網により、息の根を止められた日本は、座して死ぬよりは、子孫のために精一杯の抵抗をしめして破れ果てました。

 アメリカのペリーによる開国から50年で、日露戦争に勝利し、世界の表舞台に登場し、さらに40年を経て3年半の大東亜戦争でコテンパンに敗北しました。その上7年のアメリカの占領政策によって、日本人は、戦前のすべてを否定するように強制され、洗脳されました。日本の歴史のすべてを否定され、70年弱の歳月を経て、日本の弱体化きわまれりという現状に至っています。

 大東亜戦争(1941年〜1945年)を戦った結果、日本は壊滅しましたが、アジア諸国は欧米の植民地から結果として独立をしました。日本の果たした役割を、罪を贖ったイエスにたとえる人もいます。
 結果として、有色人種の解放もたらした日本。それ故に、日本民族の合法的な抹殺の危機にさらされることになりました。日本を残しておけない。日本は犯罪者である。犯罪者は、永遠に罪を贖わさせなければならない。そのために、悪いことをしたことを永遠に攻め続けなければならない。
できれば、日本人が自分たちで、罪を自覚させつづけることが必要である。この作戦は、みごとに成功の一歩手前まできました。竹田恒泰によると「12.3歳までに自分たちの国の神話を教えない民族は100年以内に必ず滅ぶ」とトインビーは、文明を観察して言い切りました。

 今こそ、日本人は、めざめないといけません。試練を乗り越えたヨブのようにならないといけないのです。

 さて、大東亜戦争(太平洋戦争1941年〜1945年) や日中戦争(1937年〜1945年)は、日本の正当防衛の戦争であり、敗北したが世界人類に絶大な貢献をしたという事実に気づいたというのが、この本を始め、たくさんの本を読んでの感想になります。自虐史観の呪縛より逃れるきっかけとなった本を是非皆さんもよんでいただきたい。

 「日本人の誇り」 藤原正彦著(文春新書 2011年)

コンパクトでわかりやすい。この本から「大東亜戦争肯定論」に巡り会うことになった。

「大東亜戦争肯定論」なんて、やはり思想的におかしいのではないか、右翼ではないかと思ったら、

 「台湾 朝鮮 満州 日本の植民地の真実」黄文雄著(扶桑社2003年)
 「侵略の世界史―この500年、白人は世界で何をしてきたか」清水馨八郎著(祥伝社 平成10年)
 「大東亜戦争の正体 ―それはアメリカの侵略戦争だった」清水馨八郎著(祥伝社 平成18年)

 を是非読んでいただきたい。

 その上でいかなる批判もしていただければ結構です。日本に誇りを取り戻せるものと信じます。それとも、偏向図書は読めないと拒み、悪口ばかりの日本史や韓国・中国の非難中傷を当然としつづけますか? 私自身のコペルニクス的発想の転換もたらした体験をぜひしていただきたいのです。

 なお、2014年中公文庫として復刊された。

平成23年08月18日作成