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高校生のためのおもしろ歴史教室>読書案内

「新しい歴史教科書」(令和3年版)

自虐史観一辺倒の中学歴史教科書の中で、育鵬社の「新しい日本の歴史」と並んで日本人の誇りを取り戻す歴史教科書

正確には、市販本「検定合格 新しい歴史教科書」令和3217日検定合格

著作者 藤岡信勝 ほか10名 自由社

です。検定教科書と市販本は、検定合格と入っているなどの違い以外は中身は一緒です。

令和2年検定合格の中学校歴史の教科書は7冊。この時、検定不合格になり、令和3年に検定合格となった教科書がこの「新しい歴史教科書」です。中学校の歴史教科書の採択可能な教科書は8冊ではあるけれども育鵬社の「[最新]新しい日本の歴史」と自由社の「新しい歴史教科書」は、公立中学校であれば、採用を決めようとするならば激しい不採択運動がおきています。今回ネットで検索しても全国の採択リストがあげられており、極右の教科書として激しい不採択運動がおきていることがわかります。例えば「大阪市では、2015年に育鵬社教科書が採択されたが、2020年に退けた。」というふうに解説までされています。誰が退けたのか?明らかに不採択運動が起こされていることがわかります。
 育鵬社の「新しい日本の歴史」とさらに右翼とされている自由社の「新しい歴史教科書」は、もし、よい教科書なので教育委員が採択しようと思っても激しい抗議活動の洗礼をうけないといけないという現実があるので、余程の信念をもって命をかけた覚悟がない限り推薦しないものと想像します。

 他の6冊の教科書について、そのような監視はないし、採択反対の運動は皆無といっていいのではないかと推測されます。

 生業で歴史を教えてきて、歴史の教科書を読んでわくわくしたことはありません。無味乾燥ならいいが、どうも教科書執筆者のみならず歴史の研究者は日本の歴史に偏見をもっているのではないかと思わざるをえないのです。

 日本の美点、良いところは何も書いていない。日本の悪口しか書いていない。その尺度は何か?それは、封建的な諸課題が未だに多く残っている日本は遅れた国である(その典型的な例は皇室制度が残っていることだ)という価値観が1つ。これは、マルクスによる唯物史観をベースとする考え方のようです。つまり、天皇を廃止することによって日本は進歩的な民主主義国家になれるという共産党の思想を、知ってか知らずか是認しているということになのです。もう1つは、中国と韓国の主張に同調する侵略国家日本であるという主張です。これは戦前からの1つめの主張と通底し、東京裁判の見方を是とする主張です。日本の教科書であるにも関わらず東京裁判史観をそのままうけついでいるのが、他の6社の教科書であるといっても過言ではない。そして、占領当時のようにいまだに東京裁判に対する批判はタブー視されています。中国韓国のご機嫌を損ねるからです。損ねるのはよくないというのがこれらの教科書で学んだ、つい最近までの私も含んだ日本人の考え方です。

 しかし、歴史を客観的にみると日本は世界でもまれに見る平和愛好国家であり、縄文時代以来民族の交代もなく、世界の他の地域で見られないような大量虐殺もないと客観的な事実があります。

 縁があって必要があって、自由社の「新しい歴史教科書」をじっくり読んでみました。読んで日本が愛おしくなりました。教科書を補足しようとして日本の良いところをいろいろ生徒にも教えてきたがそれがすべて書いてありました。例えば日本の平城京や平安京に城壁がなかったことなどです。また、魏志倭人伝の紹介では、当時の日本のようすの記述もしっかりしています。 

 @「その風俗淫ならず」生活の習わしは乱れていない。A「盗みをしない」B「争訴少なし」訴えごとが少ない。 

などしっかり書いてあります。邪馬台国や卑弥呼なども中華思想にもとづいて卑しい字をつかっていることもしっかり書いてくれています。

いつ日本という国号が使われ出したのか、いつ天皇という称号をつかうようになったのかなども、しっかり書いてあります。このことが右翼の教科書とされる理由であろうか。この教科書の不採択運動をしている団体やそのしってかしらずか応援している方々はこれらの点すべてを一方的、非科学的と非難しています。近現代史においても、戦争の経緯や占領政策についても日本の立場をしっかりと紹介しています。ブロック化する世界の中で生き延びるために大東亜共栄圏をめざしたこと。東京裁判がいかにひどい裁判であったか。どうして、中国と戦争するようになってしまったのか。日本に愛情をもって史実にもとづいて書いています。残念ながらこれらの記述はさらに悪評で地上から自由社と育鵬社の教科書を抹殺すべきであるという論調です。

しかし、先入観を排してみれば国際共産主義の世界革命の策動の中に日本が巻き込まれていたことがわかります。戦争を肯定などしていないことはもちろんのことです。

しかし、このことは、日本は戦争犯罪の侵略国家であると決めつける日教組やその主張を無批判に肯定する教員からはとんでもない教科書ということになります。

せひ、市販本をかって読んでもらいたいと思ってやむにやまれずこの本の紹介を書いています。中学生の子どもさんに読ませてあげてください。今回この本を紹介するにあたって最も採用が多いという東京書籍「新しい社会 歴史」と、育鵬社の「(最新)新しい日本の歴史」を比べて読んでみました。育鵬社の「(最新)新しい日本の歴史」教科書と比較しても、よりいっそう愛情をこめて日本の良いところ、世界にほこるべきところを自由社の「新しい歴史教科書」はしっかりと全時代にわたって書いてくれているように思います。

 神話を乗せるのはおかしいとか、戦争を美化しすぎであるとか批判がたくさんあることを承知していますが、私も歴史教育をしてきたものの責任を感じています。科学的歴史観というのは、突き詰めればマルクス主義歴史観のことであり、日本を共産主義社会のするための主義主張の1つです。科学的でもなんでもありません。私も含め日本人は洗脳されてきたのだと思います。やはり、何は本当なのかせめては、War Guilt Information program ぐらいは勉強していただきたいなと思います。わたしも、洗脳されていたことを最近気がついたばかりです。

 War Guilt Information program については「日本人の誇り」藤原正彦著(文春新書 2011年)が読みやすいと思います。

令和3年12月23日作成