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高校生のためのおもしろ歴史教室>読書案内

「裏切られた自由」ハーバート・フーバー著    

 
 
詳しくは、「裏切られた自由 フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症[上][下]」 ハーバート・フーバー著ジョージ・H・ナッシュ編渡辺惣樹訳(草思社 2017年)。
 「余話の部屋」で自虐史観(戦勝国史観)を払拭して、日本人としての誇りを取り戻す為の著作よりさまざまな書籍を紹介してきたが、それらは、日本人による著作か、日本人のために書かれた著作であった。
 戦勝国のアメリカの政治家や歴史学者の著作にも戦勝国史観に疑問を投げかける研究と著作がある。第二次世界大戦は、邪悪な全体主義国家ドイツと日本に対する正義の戦いであったという歴史学者から歴史修正主義者と非難され、無視されている史観である。その代表がフーバー大統領の「裏切られた自由」である。日本とドイツに第二次世界大戦を行うようにあらゆる手段で追い込み、世界革命をもくろむソ連と同盟を結んで、戦後共産主義を蔓延させた責任がルーズベルト大統領にある内容であるが、冷戦の時代には、決して認められないだろう主張であった。残念なことに1991年のソ連の崩壊以降もやはりアメリカでは受け入れられていない。しかし、ここには本当の歴史があると確信の持てる内容である。個人で購入するには高価過ぎるので是非、図書館から借りて手に取って読んでいただきたい。
 フーバー元大統領が死の直前の1964年まで心血を注いだ著作が「奪われた自由」であり、2011年にようやく出版された。一冊8800円、上下巻合わせて1400ページに及ぶ大作である。
 「本書は第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー〈任期1929年〜33)が第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録である。第二次世界大戦とは何だったのか―。従来の見方とは真っ向から対立する歴史観をもつ本書は長い間、公にされなかったが、2011年に米国で刊行され議論を呼んでいる。さまざまな情報にアクセスできたアメリカの最高権力者が、20年の歳月をかけて完成させた第一級の資料である。」(表紙の裏書き)<br>
 遺族は、ルーズベルト神話に配慮してなかなか出版に踏み切れなかった。表現は、控えめであるが、ルーズベルトこそ第二次世界大戦を始め、スターリンを助けて悲惨な共産主義国家群を誕生させた悪の権化だという内容を資料をもって語っている。<br>
 このフーバーの回顧録は、それを裏付ける貴重な資料になっている。ルーズベルトとチャーチルこそが、第二次世界大戦を引き起こした邪悪な意図をもった悪魔のような存在であったことがわかる。

 さらに、あと3冊を紹介したい。特に「裏切られた自由」と共に、特に「裏口からの参戦」「ルーズベルトの開戦責任」は、是非とも読んでいただきたい。

@「裏口からの参戦 ルーズベルト外交の正体 1933-1941[上][下]」チャールズ・カラン・7タンシル著渡辺惣樹訳(草思社 2018年)

「外交史の泰斗が、第二次世界大戦へといたる米外交の奇跡を詳細に検証した労作。大戦への参戦をもくろむルーズベルト外交の全貌を実証的に解き明かす。
一九五二年に米国で観光されて以来、戦勝国史観へのアンチテーゼとして高い評価を得てきた基本図書の全訳!」(表紙の裏書き)

A「ルーズベルトの開戦責任 大統領が最も恐れた男の証言」ハミルトン・フィッシュ著渡辺惣樹訳(草思社 2014年)
「ルーズベルトはいかにしてアメリカを参戦に導いたか
ニューディール政策を激しく批判し、米国伝統の非感傷主義の立場からヨーロッパの戦争への関与に反対していた著者ハミルトン・フィッシュ下院議員(当時)は、大統領フランクリン・ルーズベルト(FDR)が最も恐れ、かつ最も憎んでいた共和党の重鎮であった。1941年、「真珠湾」直後のルーズベルトの日本への宣戦布告演説に同調するも、後に大統領が対日最後通牒の存在を隠していたことを知り、日本との戦争は対ドイツ参戦の前段にすぎず、チャーチルとルーズベルトこそがアメリカをこの戦争に巻き込んだ張本人であると確信するにいたった著者は、戦後22年を経て、真実を書き遺すべく本書を執筆した。大戦前夜の米政権の内幕を知悉する政治家による歴史的証言である。」(表紙の裏書き)<

B「アメリカはいかにして日本を追い詰めたか」ジェフリー・レコード著渡辺惣樹訳(草思社 2013年)

「4年にわたる日中戦争のさなか、彼我の工業力格差を承知しながら、日本はなぜ真珠湾攻撃を決断したのか。なおも論議がつきないこのテーマを、米国の国防政策専門家ジェフリー・レコード氏が分析、過重な経済制裁を加えて日本を「戦争か、米国への隷属か」の二者択一へと追い詰めたF・D・ルーズベルト大統領の外交政策に開戦原因の一半があったと結論づける。これをまとめた米国陸軍戦略研究所レポート(2009年発表)に、日本開国いらいの日米関係を新たな視点から捉え直した著作の数々をもの(に)して注目される渡辺惣樹氏が、米国における開戦史研究の流れをたどりつつ、当時の米国内世論の動向をひとり日本に帰し、内政的に語るだけの戦後史観に修正を迫るだけの戦後史観に修正を迫る瞠目の書である。」(表紙の裏書き)

 これらを読むと、自虐史観にめざめよと訴える日本人の著作や日本を良く知る日本人のために書かれた著作に、手前味噌と感じる必要が無いことがわかる。

 最近手にした戦勝国史観の洗脳の解毒剤となる日本人及び親日外国人の著作もあげておきたい。

「日本人が知らない最先端の「世界史」」福井義高著(平成28年 祥伝社)<br>
「日本人が知らない最先端の「世界史2」ー覆される14の定説」福井義高著(平成29年 祥伝社)
「太平洋戦争の大嘘」藤井厳喜著(2017年 ダイレクト出版)
「日米戦争を画策したのは誰だ! ロックフェラー、ルーズベルト、近衛文麿、そしてフーバーは―」林 千勝著(2019年 ワック)
「戦争犯罪国はアメリカだった!」ヘンリー・S・ストークス著 藤田裕行訳(令和2年 ハート出版)


令和3年8月18日作成