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高校生のためのおもしろ歴史教室>読書案内

「最新日本史」渡部昇一ほか22著

  詳しくは、「最新日本史」渡辺昇一 ほか22名著(平成24年 明成社)という日本史Bの教科書です。
  日本史Bの文部科学省検定済教科書は、11冊程あります。そのうちの最新のものです。残念ながら、全国の高校でも採用率が低く、高校の社会科でも見本が殆ど見られない本です。
社会科教員は、自ら受けた戦後教育の結果、日本の歴史を断罪することに熱心で、断罪することを使命であると考えているので、日本の歴史を肯定的にとらえるこの教科書の特徴を受け入れられないのです。この教科書には、コラムが65あり、いずれも日本史を学ぶ上でポディティブな気持ちになれるエピソードを紹介しています。一方、標準的な教科書である「詳説 日本史」山川出版社をはじめ他の教科書は、日本の歴史に対してコラムにおいても、斬罪的な見方で書かれています。

 自虐史観といいます。これは、イギリスにおいてもありました。先祖は海賊の国であったと教え続けて、斜陽国家としての没落をいっそう昂進させてしまいました。サッチャー首相の改革により誇りを取り戻す歴史教育を行い、誇りを回復し、国力も回復することができました。

  この「高等学校最新 日本史」 コラム 46の後段にも 明治時代の日本人について、

「一方、ドイツ医師ベルツはこう述べている。『なんと不思議なことには、現代の日本人は自分自身の過去については、もう何も知りたくないのです。それどころか、教養のある人たちはそれを恥じてさえいます。…わたしが日本の歴史について質問をしたとき、きっぱりと“われわれには歴史はありません。われわれの歴史は今から始まるのです”』―明治の日本が文明開化を急ぐあまりに、みずからの国の歴史を省みない風潮があったことに対する強烈な批判である。」とあります。

  自己否定は、大東亜戦争後の再出発の時だけではないのです。これも日本人の特徴かもしれません、しかし、

パナソニックの創始者の松下幸之助は

 「かりにあなたの先祖代々を考えましょう。あなたの先祖代々は、極端にいえば何千年も何万年も続いているわけです。しかし、それはしばらくおいて、十代をさかのぼってみます。その十代の中には、立派な社会人として、あなたが聞いても、先祖の二代目の人はこんなことをしたのだな、三代目はこういうことをしたのだな、とあなた自身も非常にほほえましい、そこに誇りを感じるという人もあるでしょう。しかしなかには、五代目か六代目には、あまり感心しない人もいたかもしれないと思います。

 けれども、それをみて、三人の立派な人がある、二人のちょっとまちがった人がある、その三人のいいことをした人のことを少しも頭におかず、ちょっと感心しない二人のことだけを考えて、オレの先祖はあかん、オレの先祖はだけだということは、あなたとしては言わないと思うのです。どちらかというと、二人のあまりよくない人のことは伏せておいて、三人のいい人のことをあなた語ってみたいだろうと思います。

 また、そういうことを語ることによって、あなたの子孫の教育になります。「うちの先祖のだれとだれはこういう社会的な貢献をした人だ。あまえも大きくなったらそういうようにならないといけないぞ」と言えば、よき教育になります。…。ところが、戦後のどう言ってきたかというと、悪い人のことだけ引っ張り出して、いいことをした人を隠しています。そうれを教えてはならないというのが戦後の教育だったのです。」(「道は無限にある」松下幸之助著(PHP研究所 2007年)

 とあります。この教育は、今もつづいています。ようやく誇りを取り戻す教科書が登場する時代になりました。まだスタンダードな教科書にはなっていません。ぜひ明成社から取り寄せて副教材としてあわせてよんでいただきたい時代を先取りした魁の教科書です。きっと日本に愛情を感じ、日本に生まれてよかったと思えることでしょう。

 中学校の教科書も、高校の教科書と同様に自虐的な教科書が多いですが、

「新しい日本の歴史」伊藤隆 他著(育鵬社 昭和23年)

が、日本人としての誇りを取り戻す内容になっています。こちらは市販本で買うことができます。ぜひ、手に取ってみてください。自虐史観のもとに、重箱の隅をつついてあら捜しをする批判が、多いですが、自分の目で見て読んで確かめてみてください。副教材としてもすばらしい本です。 

平成24年11月22日作成